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問題だらけの「新アリーナ」基本計画 (中間報告)

「市民への説明会はしない」など、市民軽視のアリーナ計画は撤回すべき

アリーナ計画

5月30日に市長が記者会見で発表、6月9日の市議会の総務・建設消防連合審査会でも審議された「多目的屋内施設整備基本計画(中間報告)」。 市は、国の「スタジアム・アリーナ改革に即した施設」への秋の応募をめざすとして、8月中には基本計画をまとめ、要求水準書とともに公表すると述べています。

基本計画(中間報告)は「家屋倒壊等氾濫想定区域」の部分に、テニスコートや子ども広場等を配置し、アリーナは現在の野球場の場所へ建設するという豊橋公園の形を大きく変えてしまう、あまりに杜撰な計画で、9日の委員会は紛糾し、8時間にも及びました。市議団は豊橋公園への建設計画は撤回すべきと委員会で求めました。(基本計画中間報告は市のホームページにも掲載してあります)

野球場を総合スポーツ公園へ移転

「10ヘクタールの用地を買収し、約3000人の客席を備えた現在の豊橋球場と同規模の新球場、サブグラウンド2面を整備する」というのですが、移設先は最大2.3メートルの津波による浸水が予想されています。市長および市は、「津波の到達は地震から約80分後。歩いても避難できる。最悪の場合は津波避難ビル(シーパレス)がある」という、市民の命を軽視する発言です。アリーナのためなら、野球場は危険な場所に追いやってもいいのでしょうか。

野球場は空襲のがれきでつくられた貴重な戦争史跡

昭和23年、焼け野原となった練兵場跡に空襲の瓦礫を搬入して、観客席がつくられ、野球場は戦災からの復興のシンボルとして、市民に親しまれてきました。豊橋空襲を物語る球場を市民にも説明なく乱暴に解体してよいのでしょうか。

220億円と膨大に膨れ上がった事業費・過大な収入予測

アリーナの1平方メートル当たりの建設費が1年前の55万円という試算から20万円も上がって、75万円になり、総額150億円。 テニスコート・芝生広場・子ども広場建設費や既存施設(武道館・野球場など)の解体費が約34億円。野球場の移転整備費用 約36億円で、合計が220億円という見積もりです。

国の補助金を獲得すると言いますが、それもすべて税金です。市民生活が苦しいとき、他に使うべきではないでしょうか。

フェニックスからの利用料金負担の見通しも不明のまま

多目的屋内施設(アリーナ)部分の収入として年間1億6700万円を見込み収支予測をしており、このうち約半分の8000万円をプロバスケットボールチームの三遠ネオフェニックスが負担する計算になっています。ところが一日の利用料172.5万円をフェニックス側が負担できるか確認していないことが、委員会で明らかになりました。

現在は、総合体育館の利用料を減免しており、同チームからの利用料収入は年間約2000万円以下です。4倍以上の利用料負担が果たして可能なのでしょうか。確認もせず進める市の計画の杜撰さがここにも表れています。

コンセッション方式は成り立たない

年間の収支予測がマイナス5900万円となっています。

市が採用しようとしている「コンセッション方式」というのは、運営する民間事業者は、収益(利用料収入-維持管理・運営費用)をもとに「運営権対価」を払い、コンセッション(運営権)を取得する仕組みです。年間の赤字がマイナス5900万円であり、収益がないので、そもそもコンセッションは成立しないことになりますが、この不足分を市民の税金で市が負担するような仕組みを作ってしまえば、将来にわたって(30年程度)大きな負担になります。最初から赤字とわかっている事業は始めるべきではありません。

「説明会も開かない」徹底した市民無視

パブリックコメント(6月12日~7月1日)で市民の意見を聞くことになっており、これまでにもアンケートなどで意見は聞いたと言いますが、回答したのはたったの1000人余りです。

住民投票の時も「条例制定の必要性はない」と多くの民意を切り捨てた浅井市長。さらに、新たな案を提出し、要求水準書まで作成し、計画を進めながら、市民には説明しないというのは、220億円もかけ、豊橋公園に建設するという事業計画から言っても、ありえない暴挙です。しっかり、市民に説明するべきです。

「防災拠点」とはならない

今回の台風2号に伴う大雨による道路の寸断などで、1号線は大渋滞し、北側の朝倉川も増水し、周辺も浸水しました。このような場所に防災拠点施設をつくることはできません。

イメージ図(基本計画より〉

豊橋公園が民間事業者の儲け優先の場所に?

民間事業者に運営を任せるため、こども広場に有料の遊具の設置や、カフェ、レストランなど、利益優先の施設がつくられることを市も認めています。市民の憩いの場、歴史ある豊橋公園を民間事業者に売り渡してしまうような開発計画を進めてよいのでしょうか。

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