6月議会には「見直し」「反対」の請願・陳情が3本も出され、多くの市民が、危険な場所に野球場をつくらないでと求める中、野球場整備方針が明らかになりました。7月26日の建設消防・総務連合審査会では、鈴木・斎藤両議員が質疑を行ないました。
示された計画の概要・問題点
配置:メイン球場1面を道路側、サブ球場2面を海側に配置し、メイン・サブとも両翼100m、中堅(センターまでの距離)122mとする。
高さ:津波と液状化による地盤沈下などを考慮し、メイン・サブ球場を3.5mの盛土の上に整備する。
収容人数:メイン球場の内野スタンド1300席、外野スペースは4700人を想定
「液状化の危険が極めて高い」とする判定結果
野球場だけではなく、周辺全体が「津波警戒災害区域」であり、地盤調査では「液状化の危険が極めて高い」という結果が出たが、その対策(工法や範囲は今後検討)は、メイン球場のみで、避難経路や駐車場の液状化対策はしない。
メイン球場を2万人の指定緊急避難場所に
津波時には、球場利用者(6000人)、周辺のサッカー場・少年野球場利用者(3750人)、周辺住民(330人)を含め、最大で約20000人の受け入れを可能とする。(一人当たり1平方メートルと計算)
駐車場からの脱出は困難に?
球場から約100m離れた海寄りに自家用車300台、大型バス10台を確保するが、津波時には実質出入り困難となり、津波による浸水で水没の怖れも。
当初の計画より大幅な遅れ
「自然圧密」という工法により、盛土が落ち着くまで1年7カ月かかり、着工が2027年度末、完成予定が2029年度半ばとなり、1年半程ずれ込むことに。
「緊急補難場所」は「備蓄品」の必要なし
避難者への医薬品、飲食料、毛布などの備蓄品は置かない。(必要になったら総合体育館などから搬入を考える)市民の安全を考えない、あまりに事務的な対応ではないでしょうか。
津波・液状化対策費用は約5.4億円
土地購入費用 約13億円 建設費など約29億円で合計約42億円を見込む。津波や液状化の危険が想定される場所につくらなければ必要のない費用です。
沿岸部への野球場移転は撤回を
沿岸部の野球場に指定緊急避難場所がつくられている例は全国どこにもありません(市が答弁した宮崎県日向市のHPでも、その記載はないことを確認)。あえて、野球場を危険な場所につくり、避難場所に利用できるとしながら、避難経路や周辺の液状化対策はせず、医薬品や飲食料も備えないというのは、あまりにずさん・市民の安全を軽視した計画ではないでしょうか。
あらためて、野球場移転計画の撤回を求めます。