斎藤ひろむ
8月8日に、日向灘で発生したM7.1の地震を受けて、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発令されました。15日には解除されましたが、「地震への備えを再確認を」と言われても、「何をどうしたらいいのか?」と、不安や混乱を感じた方も多く出ました。
この「南海トラフ地震臨時情報」について、解説をします。
南海トラフ地震臨時情報とは、2020年に気象庁が定めたもので、駿河湾から日向灘沖までの地域のプレート境界域を震源とする「南海トラフ地震」の生じるリスクが「高まった」と判断されたときに出される情報です。
情報には「巨大地震注意」(以下「注意」)と「巨大地震警戒」(以下「警戒」)があり、今回のように、域内のどこかでM7程度の地震が生じ、平時より地震の起きる確率が数倍になったと判断された時には「注意」が発令されます。そして、M8程度の地震が起こったときには、巨大地震の起きる確率が100倍程度になったと判断され、「警戒」が発令されます。
今回のように、「注意」が発令されたときは、一週間程度、巨大地震に対する備え(備蓄品や避難経路など)を確認し、注意しながら日常生活を送ることとされています。「警戒」が発令されたときには、津波のリスクのある「事前避難対象地域」に住む方には、避難指示(緊急)が発令され、一週間の避難が呼びかけられます。対象地域の小中学校も休校になり、住民の皆さんは避難をすることとなります。対象地域以外の方は「注意」と同じく、地震に対する警戒をしながら、日常生活を送ることとされています。
歴史を振り返ると、南海トラフの巨大地震の地域は、東海、東南海、南海などの地震が起きたら、しばらく後に他の地域の地震が起きることがありました。そのため、「域内で地震が起きた時、他の地域も地震が起きる可能性が高い」としてこのような情報を出すということになったのです。
警戒や避難には、大きな負担も伴いますが、万が一の際に命を守ることにつながります。しかし、今回も観光や様々なところで損失なども生じ地域経済にダメージがありました。国や地方行政によるそうした分野への支援も必要だと考えます。
そして、皆さんも日ごろから、ご家族で、災害の際の安否確認の方法や、避難する場所と経路などを話しあい、家族全員の一週間ほどの備蓄をローリングストック法などによって備えるなど、に取り組むようにしましょう。
「南海トラフ地震臨時情報」学習会
9月6日(金)18時~
カリオンビル 中会議室
報告者:斎藤ひろむ(豊橋市議)
「南海トラフ地震臨時情報」が初めて発令され、1週間ほど不安な日々を送った方も多いと思います。「臨時情報」とはどういうものなのか、どのような対処が必要なのか、「南海トラフ地震とは?」など、ご一緒に学びましょう。
どなたも参加ご自由です。ぜひお出かけください。