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県豊橋浄水場はコンセッション方式で再整備計画が進行中

5月17日、 市議団は県議団 (しもおく奈歩県議、 山口清明県議団事務局長)とともに、 愛知県豊橋浄水場と豊橋市小鷹野浄水場を見学、聞き取り調査などを行ないました。

県浄水場はPFI方式での再整備計画が進行中

最初に県営豊橋浄水場で、完成から50年以上が経過し老朽化している豊橋浄水場の建て替えなどについて担当者のお話を聞きました。

来年12月の事業着手をめざし、施設の建て替えと30年間にわたる運営・維持管理をPFIのBT+コンセッション方式で実施するというもので約300~320億円の費用が想定されています。

豊橋のアリーナ建設でも多くの問題点が指摘されている「コンセッション」とは、もともと「利権・特権」という意味です。

運営を任された民間事業者は、経費削減と収益拡大に努め、災害対応など大規模な修繕が必要になれば、県が費用を負担します。料金値上げのおそれもあります。災害発生時などの緊急対応や、他の自治体への応援体制も営利目的の民間企業では困難でしょう。

現在40人ほどが携わっている県の職員への対応や、市民サービスへの担保などについて質問しましたが、担当者の答えは「今後10年かけて考えていく」というものでした。

県内で最初に整備・運営のPFI事業に踏み切る県営豊橋浄水場、水道を民間に任せるメリットは市民にとっては、まったくありません。

県と市の施設の配置図

時間をかけ、ていねいにつくられている市の水道水

県水(依存率7割)・自己水の比較

県豊橋浄水場市小鷹野浄水場
水源牟呂用水(森岡取水場)
豊川用水(三ツ口池)
豊川の伏流水
(下条取水場で汲み上げた地下水)
ろ過方式急速ろ過緩速ろ過(ゆっくりした速さ)

豊橋市の小鷹野浄水場は昭和5年から94年の歴史ある施設です。

「ろ過池」と呼ばれる5つの大きなプールは、開設当時から使い続けているもので、下条の取水場からくみ上げられた伏流水を、山砂の層にゆっくり通し、微生物の力を借りながら、ろ過をしています。もともと地下水なので水質も良好です。

ろ過した水は、約60メートルの高さの多米配水池の大きなタンクまで、ポンプで送って蓄え、傾斜を利用した自然流下方式で、配水管を通って家庭や工場に送られる仕組みです。

配水池の展望台からは市内が一望でき、隠れた桜の名所になっているということで、春には市民に開放しているそうです。

浄水池(市HPより)
浄水池(市HPより)

管理は24時間体制

事務所の2階にある管理棟では、市内に47ある水道施設を24時間体制で監視する、壁一面の管理システムの説明を受けました。

県の施設整備では、市の事務所、管理棟も一体に整備することが予定されており、その部分の経費は市の負担とし、完成後は共同利用とする覚書を締結しています。ただ浄水の仕組みや管理体制、豊橋が培ってきた技術の継承等、PFIにはなじまないものです。運営は切り離して考えると大村知事も会見で述べています。

豊橋市民の水は豊橋が直営で

豊橋独自の方法で丁寧につくられている豊橋の水道をこれからも市の直営で守り続けていくことの重要性をあらためて実感させられました。

見学、聞き取り調査

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