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「イマージョン教育」は公教育で行うべきものか?

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 豊橋市は、2020年度より、小学校の全学年で、国語と道徳以外の科目の授業を英語で行う「イマージョン教育コース」を、八町小学校でスタートさせました。
 「イマージョン」とは英語で「浸す」を意味します。豊橋市はその目的を「世界で活躍できるグローバル人材の育成」としています。公立小学校では全国初の実施です。
 主要教科を「英語」で行うことで、教育的にどういう効果があるか、また問題はおきないかなど、まだ確立していません。小学校のうちは「日本語の習得や日本語での思考が大事」と指摘する研究者もいます。
 強行した佐原前市長自身が「教育委員会の抵抗があった」と語っています。

 イマージョン教育コースは、1年生から6年生までそれぞれ一クラス25人。担任の教師と外国人の専任教師NET(Native English Teacher)の二名の先生が配置されています。そのほか、学校にはイマージョン教育コース専任のコーディネーター(教務主任にあたります)がつき、教材の作成のためにも教員が一人配置され、学校に配属されているALT(外国人英語指導員)さんも教材作成に協力をしています。
 これらの人に、2020年度には市の予算が独自に、一億円弱が充てられています。さらにイマージョン教育コースのために、八町小学校の校舎長寿命化に併せて、教室の増築の予算も充てられてきました。
 一部の児童のために、人も予算も手厚く充てるというやり方は、公教育としての公平性が損なわれます。
 イマージョン教育コースの募集は、一学年25人のうち、5人は八町小学校の子ども向け、20人は「市内全域から募集」となっています。ただし通うには親の送迎が必要です。応募が多数の場合は抽選となります。
 2021年度の入級に向けては、一年生20人の定員に64人の応募がありました。倍率は実に3倍超です。「子どもを通わせたい」と思うおやごさんの気持ちも、よくわかります。そのために八町小学校に引っ越しを考える親御さんもいらっしゃるとのことです。しかし、市は「これ以上の定員を増やすことは難しい」と言っており、競争率が一層高まることも考えられます。
 限られた児童しか入れない「特別な教育の仕組み」を、市立の小学校で行うことも、公教育としての在り方が問われることになると考えます。

 日本共産党豊橋市議団は、すでに通っている子どもたちのために、市教委は責任を持った対応を果たすべきと考えると同時に、「イマージョン教育コース」については今後の募集をやめ、廃止をするべきだと考えています。

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