野球場整備等と合わせると267億円規模の巨大プロジェクト開始へ
補正で成立した予算231億円の内訳は
総合スポーツ公園B地区現況測量調査費 | 550万円 |
債務負担行為(来年度以降に予算に上げて、使うことを約束する事業)
多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業(令和6年度~39年度) | 230億7,000万円 |
多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業 PFIアドバイザリー業務委託料(令和6年度)(1/2県負担の予定) | 5,500万円 |
総合スポーツ公園野球場基本設計等業務委託料(令和6年度) | 6,750万円 |
全国に前例のないBTコンセッション(混合)方式で10月に民間事業者公募へ
9月議会の最終盤に突然アリーナ関連の予算が計上されました。最終日の9月29日に行われた予算特別委員会は午後3時から10時にわたって紛糾し、再開した本会議で新アリーナに231.5億円余の予算が午後11時に成立という前代未聞の異常な事態です。
10月に予定している多目的屋内施設(メインアリーナ・サブアリーナ・武道館)の事業計画を民間事業者に提案してもらうための公募の作業(入札公告)に間に合わせるため、このタイミングでの予算計上となったものです。豊橋市の1年間の一般会計の総額の1,383億円(令和4年度決算)と比べても相当な巨大事業となって、子や孫の代となる令和39年度まで市民の税金の負担を強いるもの、また、コンセッション(多目的屋内施設)+BTO(指定管理)(公園東側エリア)という混合方式も全国初のものであるにもかかわらず、充分な議論がされていません。
予算委員会でも不備を指摘する議員からの質問に当局側が答えられず、委員会がしばしば空転、答弁の修正などが繰り返され、結果長時間に及びました。
■この予算に賛成したのは
自民党(議長除く18名)、公明党(5名)、まちフォーラム(3名)、みんなの議会(古池議員)、夢響きあう議会(鈴木智子議員)
■反対したのは
共産党(3名)、紘基会(寺本ひろゆき議員)、れいわ(菅谷竜議員)、豊橋だいすき会(長坂尚登議員)、になる会(諸井奈々子議員)でした。
市民を災害の危険にさらす野球場移転先対策はいまだに示されず
アリーナ建設予定地が「家屋倒壊等氾濫想定区域」であったことから、今度は子どもたちも利用する野球場を、東南海トラフ地震で、津波の危険がある海沿いの「特定避難困難地域」に移転させるという計画。
9月議会の一般質問では、たとえ野球場移転が難航しても、アリーナ計画は予定通りに進めるという答弁もあり、アリーナ建設さえ進めば、野球場は二の次という信じがたい姿勢が浮き彫りになりました。
今回、基本設計の予算が計上されましたが、野球場の地盤調査や液状化対策はあとまわし、急遽浮上した避難所案の内容も明らかになっていません。地盤の調査がまず先ではないでしょうか。「市民のいのちを守る」という市の使命を投げ捨てた海沿いへの野球場移転は、将来に禍根を残すものであり、撤回すべきです。