今、市内では新アリーナ関連事業の推進の立場の議員の皆さんによる「説明会」が各地で開催されています。
私は参加はさすがにしていませんが、ネットで投稿されている様子などを見ると、事業の詳細について「あいまいだ」「質問しても答えがない」という受け止めをされている感想をしばしば見かけます。
じつは、今回の新アリーナ事業については「どのような施設ができ、どのような運営をされていくのか」推進派の議員のみなさんも、市役所も、「説明ができない」という事情がついて回っているんです。 それは、新アリーナが「PFIのBTコンセッション方式」で整備・運営されることとなっているからです。
PFIとは、公共施設の建設の際、資金を民間が調達して建設する方式のことです。
また、BTコンセッションとは、民間がつくった建物を自治体に譲渡するけど、その運営は民間業者が担う、という仕組みのことです。
「コンセッション」とは「運営権」と訳されることもありますが、その施設で何をするかを、「すべて運営業者にお任せをする」という仕組みなんですね。
この仕組みでは、そもそも設計・建設時から、自治体は、その公共施設を「仕様」ではなく「性能」で発注をかけることになっています。わかりやすく言うと、図を描いて発注するのではなく、「ホールと、サブアリーナを何人ぐらい入るもので作ってね」という感じで発注をかけるということです。
それ以外の施設の詳細は、運営に携わる企業が、自分のところがもうけを上げることができるよう、指定された「仕様」の範囲内で好きなように作ることができる、というわけです。
そして作った後は、所有権こそ自治体に移されますが、「年に何日市民利用の日にしてね」といった条件を満たせば、あとはそこは、自分たちの儲けの上がる限り好きなようにイベントをやったり、タレントを読んだり、conventionにつかったり、運営ができるという仕組みなわけです。
そのようなものが、税金つかった「公共施設」といえるでしょうか。
私がずっと、豊橋の新アリーナの「BTコンセッション方式」ゆえに反対と言ってきた理由はそこにあります。
今回の新アリーナ関連事業でも、どんな施設になるのか、運営業者もすべては公表していません。
どんな運営をするのか、例えばどんなイベントやるのか、どんなタレントよぶのかなども公表してません。
それゆえ、広報とよはしでも「※今後掲載内容は変更となる場合があるほか…」とか必ずかいてあります。

なので、本質的に、新アリーナについては、どんな施設になるのか、どんな運営をするのか、推進派議員も、市当局ですらも、「説明できない」領域が残ってしまうのです。
建設と30年もの長期にわたる運営に、230億も税金つかってつくるというのに!
これが、PFIのBTコンセッションという仕組みというわけです。
もともとPFIという制度…「民間活力の活用」については、民間企業のイベント運営力や経験を生かす、ということと併せて、運営費も安くなる、という理屈があります。
しかし、運営費が安い背景は、人件費なんですね。
人件費を安くあげ、利益を本社のある他の地域に持って行き、公共の場、公共の建物で、民間企業がもうけの場として使う…という側面が、否めない制度だと考えています。