日本共産党豊橋市議団を代表し、
27請願第4号「豊橋市議会から国会及び政府に対し、「民主主義・地方自治の堅持をもとめる意見書」の提出を求める請願について、採択すべき、という立場から、討論をいたします。
現在、「オール北海道」「オール沖縄」といった、地域の方々が立場を超えて共同の課題に立ち向かうといった取り組みが、しばしば展開されています。
沖縄では、1995年の米兵による少女暴行事件や04年の沖縄国際大学へのヘリ墜落事件なども契機に、普天間基地の撤去を求める県民の声が広がると同時に、その代替として県内にあらたな基地をつくることは許さないという共同が大きく広がりました。
移設先として名護市辺野古が挙げられたのち、それに反する県民の共同が広がり、直近の一年余りでも、2014年一月の名護市長選、九月の名護市議選に続き、14年10月の知事選、14年12月の総選挙と四度にわたる選挙においても、辺野古への移設反対派の勝利という結果が出ています。最近の地元紙の世論調査でも、辺野古への移設について、賛成18.2反対76.1と大きな差がつく状況にあります。
北海道では、日本政府が参加を検討しているTPPについて、関税の撤廃によって、道の試算では、生産額でマイナス4762億円、影響額全体では1兆5846億円、雇用が11万人奪われ、2.3万戸の農家が減る、とされています。
北海道の産業にとって重大な打撃です。
JA道中央会、道漁協組合連合会、道森林組合連合会、道農民連盟などの農林水産団体はじめ、道経済連合会、道医師会、連合など幅広い団体がさまざまな共同の場でTPP反対の立場を掲げ、道内の政党も自民党、公明党、民主党、共産党が共同してTPP参加反対の声を上げているという状況にあります。
こうした動きの特徴は、国の進める施策が、ある一地方にとってはそこに暮らす人々にとって命や暮らし、生業にかかわる重大な影響を与えうること、それに対して個人、団体、そして地方自治体が、やむにやまれず声をあげていること、また、それゆえ、他の問題での立場の違いを超えて、一点での共同が広がっている、ということにあります。
こうした事柄に対して、国が、時にはおかねで、時には公権力をつかい、住民と地方自治体に対して、問答無用で結論を押し付けてくるということについて、怒りの声が上がっています。
日本共産党は、これらの事柄の背景には、国がアメリカの意向に沿う姿勢をとることや、経済界の一部の利益にばかり配慮していることに原因があると考えるものですが、いずれにしても、ある問題について、国の方針と、ある地方の多数の方の声がたがうということは、起こりえます。
その場合、民主主義と地方自治の本旨から考えると、国が一方的に結論を押しつけたり、「粛々とことを進める」というようなことがあってはならないと考えるものです。
請願の趣旨には、辺野古への基地移設、核廃棄物の最終処分場の設置、TPP交渉など国民・市民の生活に直接影響を及ぼす諸問題について、住民自治、団体自治を無視して進めていく状況が目に余ると指摘をし、民主主義と憲法の形骸化に歯止めをかけるためにも、この国の主権が国民に存することを確認することが必要とのべ、「民主主義・地方自治の堅持を求める意見書」を上げることを請願しています。
豊橋市議会としても、豊橋・東三河、あるいは愛知県などの地域の固有の問題に、国が私たちの願う方向と逆の立場をとった時、地域住民や地方自治体の意向をしっかり汲むことを期待するわけでありますし、このことを対岸の火事とせず、民主主義と地方自治の本旨にのっとった対応を求め、意見書を上げることが求められると考えるものです。
以上をもって、採択を求める討論といたします。