中西みつえ
高齢者が無料で利用できる入浴設備のある公共施設に、地域福祉センターや老人福祉センターがあります。それぞれの福祉センターは、地域の福祉ニーズに応じた各種講座やイベント等の自主事業の実施など、高齢者を中心に施設利用の促進が図られています。老朽化度が高くなってきている福祉センターですが、豊橋市公共施設等総合管理方針では、施設保全計画にもとづき、維持管理・修繕・更新等を実施し、施設の健全な状態を維持するとあります。
突然、浴室廃止が決まった大岩老人福祉センター
昨年の9月にお風呂のボイラーが故障し、入浴利用が出来なくなっていた大岩老人福祉センターでは、修繕することなく廃止が決まりました。利用されていた方から私のもとに入浴利用がいつから再開するのか問い合わせの連絡をいただいていたこともあり、再開を待ち望んでいた方にとって入浴利用廃止のお知らせは残念な結果でした。
他の施設での状況を調べたところ、二連木老人福祉センターでは築50年以上経過し、来年1月の大規模改修に伴い浴室の廃止予定となっていることがわかりました。福祉センターの老朽化に伴って、よい福祉サービスがなくなってしまうのは問題ではないかと考え質問することにしました。
利用者の声をまったく聞かず廃止を決めていいのか?
大岩老人福祉センターの浴室廃止の理由と、廃止を決めるにあたって利用者の声を聞いたのかの問いに、「利用者が実人数では30人未満の特定の少数の方であることや、修理費用が高額であることなどから修繕を断念し、今年度から廃止とした。今回の廃止にあたっての意見は聞いていない。」今後の福祉センターの浴場の老朽化に対する対応への考えについては、「施設保全計画に基づく改修のタイミング等を捉え、その時々で、利用者の状況や地域の実情、費用対効果など考慮し、施設ごとに判断していく必要がある」と答えました。
福祉の視点に立ち、利用者の声を聞いたうえで施設保全・改修を!
入浴サービスを続けて欲しいという利用者の声を聞かないで、今回市が拙速に浴室の廃止を決めたことは問題であることを指摘しました。そして今後の施設保全・改修には、福祉の視点に立ち、地域のみなさんや利用者の皆さんの声をしっかり聞いたうえで進めていくよう求めました。