豊橋市の「新アリーナ計画」は、豊橋公園での建設にこだわるあまり、
建設予定地の家屋倒壊等氾濫想定区域の発覚以後、
公園の東側エリア全体の再整備計画につながり、
豊橋公園内の野球場は、津波による「特定避難困難地域」に移転をはかり、
武道館や弓道場も壊して新アリーナに統合し、将来は近隣の地区体育館も廃止するという、
豊橋公園と、豊橋のスポーツ施設整備の双方に重大な影響を与える事業となっています。
当然、その費用も大きくかさみ、豊橋市の試算では
新アリーナ本体に150億円
豊橋公園の再整備に34億円
野球場の用地購入に13億円
野球場の建設に23億円
さらに、30年間の新アリーナの管理/運営業務におおよそ47億円と
あわせて、267億円というきぼの巨大なプロジェクトとして動くこととなりました。
豊橋市の一年間の一般会計の総額の1383億(R4年度決算)と比べても、相当な巨大事業となって、私たちの孫子の代となるR39年度まで市民の税金の負担を強いるものとなります。
報道にもありましたが、夜の23時前までに及んだ9月定例会最終日に出てきた
新アリーナにかかわる予算案と条例案は、
野球場移転先の測量をする予算550万円と
債務負担行為(来年度以降に予算に上げて、使うことを約束する事業)として
多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業(R6~R39年度) 230億7千万円
多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業PFIアドバイザリー業務委託料(R6年度 5500万円
総合スポーツ公園野球場基本設計等業務委託料(R6年度) 6750万円
及び
多目的屋内施設の公共事業等運営権に係る実施方針に関する条例案
というものであり、
七時間かけ深夜に及んだ一般会計予算特別委員会での議論を経て、本会議場で賛成多数で可決をしました。
賛成したのは、自民党(議長除く18名)、公明党(5名)、まちフォーラム(3名)、古池市議、鈴木智子市議の28名
反対したのは、日本共産党(3名)、寺本市議、長坂市議、菅谷市議、諸井市議の7名でした。
私は、本会議場で着席している他の議員のみなさんの様子をみながら、4月の市議選の結果が、豊橋市議会の力関係を大きく変えるものであったことを強く感じました。
来年度以降に予算計上を縛るのですから、実際に新アリーナの建設計画は実質的なGOサインが出たということになります。
この先10月から、具体的な事業計画を業者に提案してもらうという公募の作業に入ることになります。
日本共産党豊橋市議団は、この新アリーナ計画について、当初から反対の立場を貫いてきました。
総合体育館の老朽化対策は必要だが、必要なのは市民のためのスポーツ施設であって、イベントを主宰してもうけをあげるための巨大な箱モノではないこと。
豊橋公園の自然と景観、歴史を脅かし、渋滞などによって近隣の住環境を破壊するような状況を生み出しかねないこと。
経費の積算のミスや、家屋倒壊等氾濫想定区域への対応や、津波の特定避難困難地域への対応など、市側の事業遂行に深刻な不備がしばしば見受けられ、それに対して、場当たり的な対応が続き、信頼を失っていること。
それにもかかわらず、市民全体への事業の説明会などを行わず、地元説明会時には参加を希望した市民を排除するなど、「市民不在」のままの事業推進が顕著であること。
とりわけ、防災の事柄において、市民のいのちとくらしを、軽々しく扱っているかのような対応には、心底から不信を感じています。
こうした、事業そのものにも、その進め方にも、大きな問題を抱えた事業を、これ以上すすめさせるわけにはいかないということを、あらためて強く感じています。
昨年の住民投票条例制定を求める直接請求署名につづき、
今年も10月24日より、幅広い市民のみなさんとご一緒に、住民投票条例制定を求める直接請求署名活動を準備しています。
私たちは、新アリーナの、事業そのものをストップさせるまで、決してあきらめません。
スポーツを楽しむ、すべての市民のみなさんと、
将来の豊橋市のありように問題意識を持っている、すべての市民のみなさんと、
元気で住みよい町であれば、と願う、すべての市民のみなさんと、
立場の違いをこえて、対話を深め、より良い町づくりのために、奮闘する決意です。